2017年2月20日月曜日
起業家の育成と産業開発
CEALOグローバル・ハーモニー・ジャパンが実施してきた人道支援事業から、次のステップに向けて大きく花咲いていく事を願い、東南アジアに起業家を育てていくための会社を立ち上げることになりました。実は、1年程前から検討を始め、試行錯誤しながら温めてきた企画でもありますが、昨年28年11月11日に、「陽月堂株式会社」という名称で、社会貢献を目的とした会社が設立されました。
CEALOグローバル・ハーモニー・ジャパンの支援活動は、上下関係の支援であってはならず、豊かさの共有でなければいけない、そして、その国はその国の人の手によって豊かに幸せになれるよう支援をする、という理念に基づき、物資配布から人道支援を地道に続けてきました。
2009年に始めた日本語と職業に役立つ技能を学んでもらおうと始めた研修事業も、そのゴールに向けた一歩でした。参加してきた学生の中でも、日本語を日本人顔負けに話せるようになる人も出てくるようになりました。日本語能力を活かし、地元で会社に就職をする人はそれで完了です。しかし、一人に対する支援をその人の自活につなげてもらう事も大事ですが、私たちが求めて来たのは、私たちと目的を共有し、人々の生きる喜びを増やしていくことを喜びとする人を育て、その国で活躍してもらう事です。
特にミャンマーでは、この数年、周りの人々、村や地域、或いは国全体も幸せにしていきたいと望む現地の人達と共に、様々な事業活動を進めつつ、日本流の創意工夫やモノ作りの姿勢を共有してきました。しかし、私たちが訪問していない時には、村の人々は自給自足を続けるか、せいぜい近隣の工場で単純労働者として日銭を稼ぐことしか出来ません。現地の人が中心となり会社設立もしましたが、経営は卓上論では動いていきません。
勤勉で豊かな心をもち、能力も資源もある国の人々が、資本主義経済の労働力だけに終わるのは残念なことです。また、私たちの活動も、「人々が生きる喜びに満たされる」というゴールを想えば、物質的な貧しさから何とか逃れられたというだけでは、真に目的を達成できたともいえません。
そこで、日本流の商いの精神を本気で体得してもらい、起業家として立ち上がれる人材を生み出していくことを目的にし、日本で会社を設立し、共に経営・運営するという提案がなされました。私たちが考える「日本流の商い」とは、顧客と直接つながり、尊重や感謝の気持ちをもって互いの幸せと豊かさを分かち合えるような経営です。
日本からミャンマー進出をする大企業にも、素晴らしい理念のもと、日本的なサービスを行い、社員教育を行う会社はあります。日本の大企業の創設者も、貧しい環境で生まれ育ち、教育も十分に受けられなかったという経歴の持ち主は少なくなく、今後ミャンマーにそうした起業家が生まれてくる事が待ち望まれるところです。
しかし、起業や経営には教科書はなく、情熱や人格は人に教えられて得られるものでもありません。また、いくら日本に素晴らしい経営者がいるといっても、私たちが同じようにできるわけでもなく、教えることすらできません。そこで実際に会社組織を立ち上げることから共に体験し、働く人もお客さんも幸せになれる商いとはどういうものか、その過程を日本人とミャンマー人が共に経験し、積み重ねて行く事で叶えていこうという展開になり、陽月堂(株)設立に至りました。
今、ミャンマーはまさに、経済発展に向かって大きな転換期を迎えています。最期のフロンティアなどと、資本主義的な経済チャンスだけを狙って進出する会社も増え、地元でもこの波に遅れるなとばかりに日本語学習者も激増しています。
私たちは、これまでの支援活動で培った繋がりを、経済的な利益目的に利用しあう関係にしてしまうのではなく、人々の幸せのために活かし尊敬しあえる関係を深めていく必要があると考えています。これまでCEALOグローバル・ハーモニー・ジャパンが行ってきた、物資配布や孤児院・教育機関への支援、農村部の自立支援は継続しつつ、ミャンマーの人々と共に、支援事業と連携させながら経済活動を発展させ、支援の受益者が自立を目指そうとする時、しっかりと受け入れられる土壌を作っていきたいと思います。
皆様の引き続きのご理解とご協力をお願い申し上げます。