2013年9月13日金曜日

中古車いすをスリランカに送るプロジェクト提案


スリランカの協力NGOが力を入れている事業の一つが、コロンボにある病院内の奉仕活動です。公立の病院では、貧困層の人々が無料で治療を受けることができますが、そのためか、病院は毎日大勢の患者さんでいっぱいです。

 治療は無料でも、特殊な薬や専門的な治療は受けることは難しく、また、病院内では車いすや松葉づえが無料で使えても、病院の外に持ち出すことはできません。そのため、NGOでは、薬や治療の援助、車いすや松葉づえ、歩行補助器などを寄付する活動を行っています。

当初は、当団体の支援金に頼ることが多かったのですが、現在は少しずつ地元の裕福層や病院内の医師や看護婦からも寄付金や物品提供を受けられるようになり、毎月20~25台の車いすを届けているそうです。

現地で車いすはRs12,000(約1万円)ですが、農村部で1か月12,000ルピーを手にできる人はほとんどいません。中心地で仕事を得ている人でも1万5千円程です。また、折り畳みが出来ず、非常に重たいもので、使う人も、介護する人も、運搬する人も大変。

海外からポータブルな車いす(日本でよく使われているような)を寄付した際は非常に喜ばれ、中古でよいから日本から車いすは頂けないか、という相談を受けています。

1万円、と聞くと、日本で集めても保管や運送を考えると、現地で買った方が…、と思うのですが、「中古・車いす」でネット検索すると、多くの中古車いすがさほど汚れた様子もない状態のものを沢山探すことができます。それも1万5千円ぐらいといい値段がついていますが、それだけ多く車いすを買って手放す人が多いという事ではないかと思われます。また、新品でも安いものは1万円台でいろいろあるようです。

国内でどう呼びかけ集めるか、保管はどうするか、どうやってスリランカまで運ぶのか…、いろいろと課題はありますが、月20台なら年間240台。かねてから、日本のお寺のお坊さんから、未使用のさらしが年間数百反単位で残ってしまうが使ってもらえないかとご相談を受けたこともあり、一度は試しにスリランカまで空輸したこともあります。段ボール1箱でも数十Kgにもなり、送料がかかりすぎることから保留にしたままの案件もあります。

また、養護施設だったか、病院だったかで、古い車いすを処分するのだけれど要らないか?という話を受けたこともあったのですが、その時点では、今のスリランカからの要望にもご縁はありませんでしたし、何分にも力不足でそうしたお申し出も受けることができずにいます。

日本の車いすとさらし…、今、スリランカとのつながりで、沢山の困っている人々に役立ててもらうことができそうなのです。しかし、国内保管と海外運送(輸出業務)合わせて、いろんな分野の人の力が必要です。まだまだ、「プロジェクト」立上げにも至らない状況ですが、何か方法はあるはず。このプロジェクトに関心のある方、やってみよう!これなら手伝える、という方は是非CEALOグローバル・ハーモニー・ジャパンまでご連絡ください。

⇒ 2014年9月、無事車いす14台を届けることができました!その様子はこちら!






2013年9月11日水曜日

スリランカ 2013年9月(2)



 2009~2011年にかけて、スリランカでの研修事業と、大工さんを招いての修繕プロジェクトで思い出す方もいらっしゃるかもしれません。
スリランカの活動センター敷地内の講堂予定地です。古い洋館が少しずつ手入れされ、日本人が帰って後、2年かけてこんな風にきれいになりました。
とはいえ、まだまだ完成には遠いようですが、あきらめず、地道に歩みつづけてきたスリランカNGOの姿がここでも見て取れます。

一番上の写真、建物を後ろに、手前にある木は、研修が終了した際に植えたマンゴーの苗です。まだ実をつけるのは先ですが、きれいに育っています。

一番下の写真は、日本の大工さんはじめ、大工チームでボランティア参加した皆さんとスリランカの皆さん、そしてミャンマーの研修生で完成させた階段です。

スリランカで一番強くて硬いと言われているジャックフルーツの木、しかもこのセンター内の木を使った階段は、こんな高温多湿の環境で、野ざらし状態で、使われることもなく2年がたとうというのに、ミシッともいいません。

どっしり、そしてひっそりと、二階の完成をじっとまっているようでした。


スリランカ 2013年9月

昨年、2年越しにやっと現地に届けることができた車の寄付で、今年も1回の訪問になりそうなスリランカ支援。気になりつつも、カンボジアやミャンマー事業、そして国内での活動とスケジュール調整も難しい状況が続いてきました。

全く訪問できなかった2年前は、現地から元気のない声も届いていましたが、「自力で、自分達で…、と何度も自分に言い聞かせてやってきた」という、スブーティさん。(現地協力NGO代表)センターは、表玄関も美しくなり、庭もきれいにていれされ、館内も研修をやっていた頃(2009~2011)のように活気があります。

昨年から手伝いを始めた大学生ボランティアと、そして地元の皆さんとともに、少しずつでも手入れをし、活用をしてきているそうです。また、農業実験のプロジェクトや、村の支援活動、そして、病院で治療を受ける貧困層の支援活動なども継続しながら、今では病院の医師や看護婦さんからの寄付金や協力を得ながら、内戦後の復興が進んでいない北部のサポートも行っているとのこと。

自立は、貧困層だけではなく、共に歩む現地協力NGOの運営やそこに関わるボランティアスタッフにも必要なことです。現地NGOと協力して事業を行っていく上で、生活に困ってはおらず、何とか人々のためにという心のある人々であって
も決して裕福な暮らしをしているわけではありません。CEALOグローバル・ハーモニー・ジャパンでは現在、スリランカだけではなく、他の支援先でも現地NGOと協力しながら行うことがほとんどですが、そうした仲間が病に倒れたり、家族の経済状況が悪くなったり、災害被害やトラブルに巻き込まれてしまうということは珍しくありません。

状況が良いから、安定しているから、ゆとりがあるから奉仕ができるのではなく、苦しくても、厳しい環境下であっても、それでも助け合い、励まし合って生きる喜びを見出せる意識を啓発していくことが、CEALOグローバル・ハーモニー・ジャパンの大きな目的です。現場に行きたくてもいけない時、仲間が困って大変だろうと感じる時、どうかあきらめず、放り投げてしまわないことを祈ることしかできないのですが、今回のスリランカでは、嬉しい報告を沢山受ける事ができました。

集まった学生は、2005年のスマトラ沖大地震津波被災地で支援を受けたハッピー君はじめ、2007年の国際ハートエキスポに参加するため来日したニルーシ、そして数年前から活動に参加している学生たちです。NGO団体の会計も学生が行い、レポートやブログ、また支援要請の予算・計画書もファイルに作って提示してきます。
2005年初めてスリランカを訪問した
際津波被災者が避難していた寺院内



ブログも簡素なものを見本に作り、やってみてはどうか、と提案して後、まめに更新をしており、昨日はデザインを変えたいというので少し教えたら、一夜のうちにこの通り。頼もしい限りです。

今回訪れた同じ寺院内に作られた
幼稚園の子ども達の様子
昨日は学生と共に物資購入にでかけ、米、調味料、保存食、衛生用品、日用雑貨などを仕入れ、センターでパッケージしました
が、慣れた手つきであっという間に終了。支援先ごとの仕分けもばっちりです。

学生が物資の撮影を早速していたので、私も便乗。きれいに並べてありました。2005年にセメントブロック作りの機械+簡易工場を寄付した地域数か所で、現地NGOで幼稚園を運営支援を続けており、最近はやっと支援金がなくとも教員の給与は保護者と村の人々が毎月バザーを行ってまかなえるようになってきたとのこと。自分達がそうした指導をしながらも、共にやっていくことの大切さ、それが実った時の喜びをスブーティさんは涙ながらに語ってくれました。与えるだけではだめだ、と分かっていても、一時的な他からの支援や地元住民の怠け癖や甘えによって、同じスリランカ人としてどう変化していったらよいのか。そうした自問が彼にも長くあったことでしょう。こうした取り組みができるようになった村は、8年やって支援してきた村のほんの数パーセントにすぎませんが、それでも、やっと芽が出始めた喜びを味わっているのだと思います。

2013年9月11日スリランカにて