2016年8月20日土曜日

拠点移動計画

2006年から、日本での活動の基盤を作っていけるように、と、石川県に拠点を置いて早や10年がたちました。10年前、ご縁あって導かれた北陸の地は、例年以上に大雪の年で、最初にお借りした家では2階までも雪が積もってしまうような状態で生活するという経験をいたしました。


2007年、金沢市で国際ハートエキスポというチャリティーイベントを開催し、それをきっかけに、街中に家を見つけて頂き、そのまま活動拠点を置くことにしました。「なぜ石川なのですか?」…、それこそ協力者のみなさまだけでなく、役所の人にまで聞かれましたが、「ご縁です」としか言えませんでした。

家と言っても、普通に生活が営まれる家庭の家ではなく、1日中、1年中、多くの皆さんが奉仕やボランティア活動に訪れてくださり、また滞在して下さり、国内での多くの事業を行う事が出来ました。当団体に集められる支援物資の管理も、大きな倉庫がある、あの家でなければ難しかったと思います。年次報告会やニュースレター発行、年に数回、多くの人が同行しての海外支援といった流れも、少しずつ基盤が確立され、県外からも多くの皆様のご協力を得て、拠点運営ができたと思います。


今年2016年に入り、カンボジアの活動拠点、DACCの継続について検討をしはじめました。きっかけは、DACCの大家さんが値上げをふっかけてきたこと。その大家さんの建物はすぐに解約しました。もう一つは、ミャンマーに、そろそろ拠点設立の計画を本気で考えたいという気持ちからでした。そうするうちに、つい数か月前になって急に日本の拠点計画に進展し、あれよという間に家が現れ、数日の間に決まってしまいました。これもご縁なのでしょう。急なご報告ですが、この度、石川拠点を移動することになりました。現在、CEALOグローバル・ハーモニー・ジャパンも異動申請を行っているところです。


DACCの経緯を思い起こせば…。設立当初から長らく、ミャンマーに活動拠点を置きたいと願っていたものの、まだまだ当時の情勢ではそれが叶いませんでした。5年前、カンボジアの孤児院支援事業の中止をきっかけに、急展開のうちにカンボジアにDACC拠点ができることになったのです。もう、カンボジア支援は終了しようとしていた矢先でした。これも、なぜ、と聞かれたら、「ご縁」としか表現ができません。

DACCでは、それまでの、訪問による物資配布を中心とした支援から、現地の生活者の視点に近づき、生活を通じた物心両面の向上と自立を支える活動にシフトすることになりました。拠点は研修施設としての役割が大きく、日本人の現地体験学習だけでなく、東南アジア人の中から人々の為に奉仕できる人材育成をゆっくりと進めてこれたように思います。

CEALOグローバル・ハーモニー・ジャパンが設立された頃は、セアロ師は1週間以上同じところに留まっておらず、どこにも「帰る」ということがありませんでした。それはミャンマーのお寺でも同じでした。多くの方が関わられるようになり、やはりご縁により、自然に必要に応じて拠点ができてきたように思います。つくづく、建物が目的ではなく、やっていくうちに必要なものがやってくる、ということなのだと感じます。

ミャンマーの拠点を求めたのも、これまでに石川、カンボジアと借家を利用させて頂きながら、不便と感じていたことが一つの理由だったと思います。物があれば欲にもつながる、ということなのかもしれませんが、お借りした家では限界があると感じてしまい、皆さんのための拠点なのだから、遠慮なく多くの人と物が行き来し、学び、汗を流し、皆が笑顔になれる場であればいいなと願ったのは正直な気持ちでもあります。

また、ミャンマーでは寺院内は修道僧院である以上、修行の場でありそこで一般の外国人が来て何らかの活動をするという事にも限界があります。だれも叱りはしませんが、筋道が違います。どこへ行っても段ボールに囲まれ(笑)、色んな面でそれなりに気を遣いながら歩んできたように思います。

ミャンマーの計画を始めたばかりのところで、急に日本国内が決まり、DACCと石川拠点が一緒に引っ越す先が岡山県に決まりました。しかも、決まった時に気づいたことには、いつも岡山の会等でご協力頂いている、受法寺(観慈さん)様と同じ町内でした。観慈さんは驚きました~とおっしゃっていましたが、こちらも驚きました。

どのような理由で、という本当のところは後になってみなければ分かりません。しかし、すべて、思い、描き、願いつつ歩んだところに、目の前に来る事は「ご縁」のほかなりません。それが、願いと異なり、思わぬ形で現れたかのように見えてもです。

現在は、ミャンマーで展開している農業産業プロジェクトで活躍中のC村から4人の皆さんが、日本に招かれ滞在中です。ずっと日本に一度行って見たい、と言っていた皆さんでしたが、早く夢がかなってよかったですね。だからとて、あちこちウロウロ見て回るでもなく、どこに行っても「何か手伝うことがあるなら」という皆さん。


拠点が改築中であることを伝えると、喜んで来てくれています。今回は当団体の招へいでもなく、観光目的で来日とのことですから、のんびり観光をしたらよいのに、大工さんの手伝いを熱心にされながら、日本のやり方を見て学んでいるようです。拠点の準備に手伝いに来るボランティアの皆さんとも、ある時は真剣に、ある時は大笑いしながら日本滞在を楽しんでいる様子です。

カンボジアもミャンマーも、ご縁は続き必要がある限り活動は地道に続いていくと思います。同時に、この13年間海外の人道支援で培われた力が、日本国内でまた一味違う形となって地道に育っていくことを感じています。

人々が、生きる喜びに満たされますように・・・。