2014年9月30日火曜日

<前半>スリランカDAスタート ♪ 車いすが届きました!

中古車いすをスリランカに送るプロジェクト」を立案し呼びかけを始めたのは、ちょうど1年前の9月。1年かけて、東京と札幌で中古車いすが集められ、プロジェクト協力・参加者も少しずつ集まって、NPO法人グローバルハートスペースにより、「車いすをスリランカに持参しよう!」という企画が立ち上げられました。掃除やメンテナンス、保管や運搬に、いろいろな方がご協力下さって、持参ツアーにも9名の方が参加。やっと車いすをスリランカに届けることができました。

中心になって協力して下さった皆さんのブログも是非ご覧ください。

集まった車いすは14台、300kgを超える重さです。現地と国内と両方で航空会社に協力の事前交渉を繰り返し、渡航者10名の手荷物として現地まで運ぶことができました。コロンボの空港でも、現地協力者のサポートを受けて入国も無事にすませることができました。

<ご協力:健育会竹川病院様、スリランカ航空様>

今回のスケジュール *****

9月27日 到着~センター
9月28日 物資整理、買い物、物資準備
9月29日 コロンボ国立病院訪問・車いす寄付
9月30日 地元の幼稚園2か所訪問・支援物資配布
10月1日 センター前でマーケット開催、夜短期滞在者帰国
10月2日 北部トリンコマレ地区訪問、貧困層支援事業の応援(物資配布)1泊
10月3日 センターに戻る
10月4日 センター片づけ最終、夜帰国

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【9月27日~到着】

コロンボの空港から約2時間の移動で、スリランカの活動センター(KGH:カルナグローバルハーモニーセンター)に到着。荷物を運び終えたのも夜10時を回っていましたが、みなさん元気に到着です。早速、寝具の用意やセンターの使い方を説明して、いよいよダイレクトアクションのスタート♪

今回の参加者は、海外ダイレクトアクション経験者がほとんどですが、スリランカは初めて、という方が多いグループです。他の国では、移動が多く宿泊はホテルだったり、もしくは、管理する駐在人がいるセンターだったりしますが、スリランカでは普段は無人のセンターを中心に活動し滞在もする拠点として活用しています。

このセンターは、2009年~2011年に、ミャンマー人と日本人で3か月合宿研修を行った場所です。管理運営は地元NGO・シハサラファンデーションが行っていますが、センターに常駐しているスタッフは現在おらず、私たちが利用させて頂く際は、現地のボランティアの皆さんが掃除やメンテナンスに来られ、滞在中は数名のボランティアの皆さんが宿泊してサポートしてくれています。

私たちはお客さんではないし、現地の皆さんと同じ奉仕者として協働し、日本人が来るたびに良くなるセンターになるよう協力をして頂くことを参加者にお願いをしました。

団体行動や特に合宿では、ルールを決める、担当や当番を決めてやる、といった話が出てきがちですが、「DA(ダイレクトアクション)や奉仕を真に体験する」ということが目的ならばどうでしょう。「どうしたら相手や周りの人が心地よくなるか、次の人に役立つか」と、心で感じ、工夫や改善をしながら自主的に動くことが奉仕には大事だと思います。決まりや役割分担がその妨げになったり、かえって中途半端になったり、規則や指示がなければできないない、ということにもつながり、そもそもの目的から遠ざかることになりかねません。

せっかくの体験の機会。日頃から日本でも奉仕ができる機会とあらば足を運んで汗を流しているメンバーだからこそ、今回は更なるレベルアップを目指していただき、支援活動以外でも、センターや仲間に対する奉仕をしっかり行い、更に経験を積んで頂きたいと思います。

このセンターでは、水道、電気、ゴミ、調理、食事、トイレ、寝具、洗濯…生活のすべてに関わることは、自分の事は自分で最期までやり届ける、ということが求められます。例えば、ゴミひとつとってみても、ゴミの収集など来ません。そこでどうするか、です。また、停電も頻繁に起きていますが、卓上の電気湯沸かしポットを使っていると、お湯を台所でわかして来よう、という事さえもさっと浮かんできません。台所?そこですよ、皆さんのセンターだから自由に使ってください、と言われても、遠慮があったり、または、誰かがやるだろうと無意識に人を頼りにしようとしたり…、色んなものが出てきます。

こうした生活に関わることはもちろん、支援活動の物資に関わる準備や段取りも、自分で考えて自分から行動すること、それをどう団体行動にするかを自分達で考えて行動することを今回のグループ課題にさせて頂きました。






9/28 車いすを整備/改造
【9月28日~準備】

荷解きをし、車いすの組み立てを行い、物資の仕分けや準備、現地での追加物資調達も、スリランカの学生メンバーと一緒に皆さん中心に行って頂きました。

早速、センターに滞在中の脳腫瘍で体が不自由になってしまった女の子のために、持参した車いすの中から適切なものを選んで調整。不自由になった首をお母さんがずっと手で支えている状況を少しでも助けられたら…。センターにある材料や道具を使い、背もたれを伸ばしてクッションをつけ、ヘッドレストを作って改造しました。

同時に、持参した沢山の物資を分類し、数を数えて支援先ごとに手渡し用の袋詰めを行います。タオルや石けん、歯ブラシ、文具など、種類も色々です。不足品は現地で買い足して、今回訪問予定の病院用、幼稚園用、村用のセットが次々に作られていきました。

現在、スリランカでは若者ボランティアチームが頑張りを見せていることから、マーケットプロジェクトを提案し、たくさんの持参物資の中から、バザー用の物品を選んでパッケージをしてもらいました。10月1日にセンターがある村でバザー開催を決定。野菜を作って売りながら活動資金を作っていた学生達に体験してもらい、バザー収入を役立てるよう、ぜひともプロジェクトを継続実施してもらいたいと思います。


【9月29日~病院訪問】


車いすと、入院中の子ども達に手渡す物資を持ってコロンボの国立病院を訪問。この病院では、治療は無料で受けられるものの、薬や退院後に必要なケアについては自費負担です。今回の私たちの協力は、医療費負担が困難な貧困層の方々のサポートを30年来行っているHospital Service Councilを通じ、入院中は病院の車いすを利用できても、退院後も障害が残ってしまったという方々に差し上げられる車いすとして役立てて頂きます。

集まった病院関係者の皆さんに、日本からの車いすを手渡し、長期入院中の子ども達におもちゃやタオルなどの生活用品をプレゼントさせて頂きました。廃棄処分になる車いすが1年かけ、たくさんの人の手で命を吹き返して再びここスリランカで役立ってくれます。




<今日の感想…>
スリランカにもたくさん車いすは安くあるのに…。それでも「日本製がいいんだ」と言ってくださるスリランカの皆さんの言葉が心に刺さります。以前はただ嬉しく誇りに感じたこともありましたが、今は「本当に日本製はいいだろうか」、我々の前の時代の日本人が気づきあげてきた技術を継承しているだろうか、と疑問に思うことが多くなってきたからです。

技術者のせいではありません。日本に生まれ育った私たちが、何を選択してきたか、何を大事にしてきたかだと思います。日本の技術力を大きく支えてきたのは、勤労精神、奉仕の心だと思います。誰かの、何かの役に立ちたい、使う人に長く役立ててもらえるものを…、そうした気持ちなくして素晴らしい技術などできないと思うのです。

南・東南アジアのどこのどんな田舎に来ても、技術は日本の代名詞のように耳にします。欧米なら「フジヤマ、ゲイシャ(古いですか…?!)」良くいって「ホスピタビリティ」かもしれませんが、アジアでは必ず「ジャパン・テクノロジー」なのです。戦前戦後の機械だってまだ動いている。壊れにくい、部品を買えればずっと使える。まさに、使う人を想う奉仕の心が物を通じて生きているからだと思います。

ジャパン・テクノロジーと聞くたびに、前世代の方々への尊敬の念と、何とか継承していかなければという責任感は強くなるばかりです。これまで培われてきた日本の宝を無くしてはいけない。自分に車や機械は作れませんが、奉仕の心や勤労精神は自分で啓発し行動することはできます。いろんな情報に振り回されず、自分が大事にしたいことをしっかり中心において生きたい、と、アジアに来させて頂くたびに思うところです。


2014年9月20日土曜日

第12期 7~9月カンボジア・ミャンマー人道支援事業

事業種: 人道支援事業
事業名: 2014年7-9月 カンボジア・ミャンマー人道支援 
開催日: 2014年7月1日~2014年9月14日
従業者: 10名
受益者: (訪問先参照)


 事業内容:

支援・訪問先:
  1. カンボジア・Hope of Cambodia ダイレクトアクションセンター(DACC)
  2. モン州Z村支援(貧困層・農業支援)
  3. KT周辺村、小学校、寺子屋等数か所
  4. 日本語研修プログラム(ミャンマー)
  5. K村縫製プロジェクト事業
主な事業内容:
  • 東南アジアと日本の活動拠点、DACCの事業運営を継続して援助し、地元住民の生活向上と、東南アジアと日本の架け橋となる現地事業活動へのサポート及びミャンマー縫製プロジェクトの職業訓練事業や東南アジア人材育成研修事業の継続実施に努めた。今年5月の縫製技術研修に参加した学生リーダーの女子(24歳)がカンボジアDACCでの長期日本語学習と縫製実習を希望し9月に渡航。現地NGO、HOC及び拠点運営を行うGHSと共同で育成に努め、自立に向けた指導や活動資金協力を継続して行っていきたい。
  • モン州のZ村やSPT寺子屋・青少年育成施設を訪れ、米や文具、日用雑貨の寄付や医療支援、教育支援を行った。米はZ村の支援先であり、協力して農業実験を行ってきた農家からの米を買い取り支援し、そのまま施設への支援米とした。カンボジアの短期技術研修に参加した学生4名が、施設に戻り、目標を立てたとおりに施設内に店を作って運営を開始しており、また、課題とした作品作りも行っていた。リーダーの学生がカンボジア渡航となったが、他の学生が継続して収入(学費)が得られ、手に職がつき、将来の自立に役立てられるよう協力支援を継続していきたい。
  • 今年3月に引き続き、第2回目のMirai日本語学校に通う学生を対象に、日本語学習の3日研修を実施した。今回は当団体が2009年に実施したスリランカでの日本語研修に参加した学生や、地元の第三者日本語学校に就学支援を行った学生、縫製技術を学ぶ学生も参加し10名となった。ボランティア日本語教師も前回に引き続きGHSメンバー2名と他1名の協力を得、今回は今年12月に実施される日本語之力試験の試験勉強として授業を行った。地元では、日本語学習の希望者が増加しており、就職に役立つ等の理由から、今後も貧困層や孤児院施設等の学生でも学ぶ機会を得られるよう継続していきたい。
  • 縫製プロジェクトでは、カンボジアDACCで2年間実習した女性1名が帰国したため、自立のために日本の職業用ミシンや用具を寄付、同時に家族の医療費支援を行った。引き続き現地での活動参加を希望しているため、他のメンバーへの技術指導やマネジメントを担えるよう指導を行った。また、現地のミシン修理、部品交換等も行い、材料提供も行った。
  • この他、雨季に収入が激減するタナカを産業とする乾燥地帯の村の支援を行い、拠点を置くK村では貯水タンクの破損や雨漏りがしていた建物等を修理支援した。

 収支報告:

事業予算 <レート$1=\105.31 1$=969Ks>
人道支援事業
DACC運営事業(カンボジア)
縫製プロジェクト
SPT孤児院支援
日本語研修
医療支援
Z村支援
K村支援
タナカ村支援
車両運搬
¥526,550 
¥158,019 
¥416,355 
¥21,399 
¥217,445 
¥420,083 
¥217,358 
¥27,170 
¥91,290 

合計¥2,095,669